1970年代後半

突如巨大な渦巻きが日本列島を縦断。

最大瞬間渦速95.3m/s

暴渦域は直径750km

急激に発達した渦巻きと共に、関東地方では500mmを超える雨ノとなり、雨ノ量は900mmを超えた。

この時、人々の白昼夢で無量諸島に降った大量の無気力(無量塔)は人型の行列となり、やがて折り重なるように積み上がっていった。
まるで塔のように見える。
人々はこの場所を無量塔と呼び、またここに暮らす人型をムラタ族と呼んだ。

無量塔では連日、大雨が降り注いでいた。

ムラタ族たちは、塔のあちこちに穴式住居を造るため、無数の穴があいている。
出入り口や窓の役割である穴から雨が吹き込み、床は浸水し、食糧が泳いで逃げてしまう事もあり、ムラタ族は涙した。

その涙が部屋から溢れ、家具が流れる事もあった。
「泣いてばかりもいられない」

雨避けの音楽を作る事にした。

やがて傘を作る職人が現れ、無量塔には商店街ができた。
着替えにはおしゃれなTシャツも良いだろう。

近頃の若者の流行はレインコートであった。



無量塔の念写(我々は夢でしか見られない)